被災地の現状

2012-01-13

こんばんは。西郷宗範です。

昨日、福島県いわき市にある㈱クレハ環境本社へ行き、被災地の現状を視察してまいりました。

津波の爪痕のすさまじさなども目の当たりにしてまいりました。

タイトル写真は津波で崩壊した防波堤と積み上げられた堤防代わりのトンバックです。

この周囲でも、津波の威力を伺える、斜めにへし曲げられた支柱やガードレールなどもありました。

この地域でも、多くの方がお亡くなりになり、未だ行方不明の方もいらっしゃいます。

そして、未だに余震があるいわき市において、昨日も到着してすぐに大きな余震がありましたが、非常に深刻な問題は、瓦礫の移動が制限されているという点です。

市内数か所にある震災瓦礫の仮置き場には未だに多くの瓦礫が山積みされ、処理ができない状態が続いています。

現在、市内に十数か所の仮置き場があり、福島県産業廃棄物協会会員会社が協力し瓦礫の分別などを行なっています。

埋め立てるもの、焼却できるもの、リサイクルできるものときちんと分けられ、整理されていても処理ができないというのは非常に厳しいところです。

いわき市は津波の被害もありましたが、併せて、震災による家屋の半壊、中半壊も多く見受けられました。

また、活断層が走っていた地域は、全壊と等しい建物なども見受けられました。

瓦屋根が未だ治せず、ブルーシートで仮補修を行なっている家も多く見受けられます。

修理を行なえない一つの要因としては、仮置き場の瓦礫が撤去できないことから、新たな搬入が厳しいことや津波被害地区では都市計画が明確にならないため、修理もできないということもあるそうです。

暮らしてきた場所を離れたくないという方は、修理もできず半壊したお宅で暮らしている方もいるようです。

そして、何よりも驚いたのは、小名浜に向かう道すがら、波打った道路の数々でした。

液状化などによる道路の損壊などは想像がつきますが、たび重なる余震により、埋立地などでない場所でも波打った道路が多くあります。

特に橋やカルバートなどの構造物の周囲はかなりの段差が見受けられます。

こうした段差や波打った道路のために、急停車した車両に突っ込む追突事故なども当初は多かったようです。

そうしたことから、段差手前などには丸いゴム輪が置かれ段差を事前に知らせるような措置もとられているそうです。

昨年行った小名浜の綺麗な海岸線も津波の痕跡がうかがえます。

工業団地のまだ新しかった道路も、現在急ピッチで修復が行われていました。

小名浜周辺の観光スポットアクアマリンふくしまやら・ら・ミュウなどはリニューアルオープンしていますし、復興に向けて頑張っています。

 

いわき市などは非常に大きな市ですので、北側と南側ではかなりの距離が離れています。

しかし、端から端まで全て一緒と取られてしまい、風評被害も著しくあるようです。

これは、いわきだけに限らず、福島県全体が同じように見られているわけです。

実際、いわき市の空間放射線量もさほど横須賀とも変わりがありません。

それでも、放射線の懸念による瓦礫の移動などができない状況は、他の被災地に比べて復興を遅らせている原因です。

 

最後に少し私の意見を書きますと、「絆」を語るのであれば、やはりこうした状況を考え、より一層の協力をしていくべきだと思います。

現在、横須賀市でも抱えている下水道汚泥の焼却灰の問題にしても、福島県の瓦礫の撤去などが進まなければ、いつまでたっても解決しないように思います。

自ら自分の首を絞めているようにも感じられます。

今騒がれている神奈川県の被災地瓦礫の受け入れについても、そこに暮らしている方達のことを思うと、良識のある判断をしていただきたいと思います。
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