福祉

皆さんは「福祉」という言葉を聞いたときに何を想像しますか。支援や介助、ボランティアなど人それぞれ考えが異なるかもしれません。国語辞典等で意味を調べると「しあわせ」や「ゆたかさ」といった意味と記されています。

 すべての人たちが「しあわせ」や「ゆたかさ」を感じていれば福祉など必要ないということかもしれませんが、社会的弱者やハンディキャップを持たれている方たちにとって、残念ながら優しい社会とは言えません。

 現在、横須賀市の人口の24.201%(約4分の1)が65歳以上の高齢者となっています。一方、14歳以下の年少人口が12.829%となっており、数年前に比べると高齢人口は著しく上がっており、年少人口はじわじわと下がってきています。いわゆる少子高齢化が進行している状況です。なおかつ、高齢者の単身世帯は約4万世帯に上り、推定で高齢者人口全体の24%が単身で生活していることとなります。

 今後、福祉にかかる費用負担は多くなり、横須賀市の財政がひっ迫していくのは否めません。現在でも社会福祉活動の一部はボランティアの手によって維持されてきています。

皆さんはボランティアセンターの存在をご存知でしょうか。社会福祉法により「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」として社会福祉協議会(社協)が全国に設置されています。横須賀市社会福祉協議会は昭和26年に設立され、市内には17の地区社会福祉協議会(地区社協)を設置しています。17の各地区でボランティア活動を進めるため、地区ボランティアセンターを設置・運営しています。主な活動は、高齢者の生活支援、障害者の外出支援、小学校等への車いすの指導、学童パトロール等ボランティアセンターの行なっている活動は多岐に渡ります。また、平成6年から市より委託を受けて「ふれあいお弁当事業」を行なっています。

しかし、私はボランティアセンターの活動記録を見ていて一つの疑問が生じました。かつては、隣近所でお互いに助け合い行なってきたことが、今はボランティアの皆さんのお陰で成り立っている。少し寂しい気がします。

 また、ボランティアセンターで活動されているボランティアも民生委員や社会福祉推進委員の皆さんが大半で、その他公募した地域住民の皆さんにより成り立っています。実際ボランティアノ皆さんも高齢化しているのが現状で、高齢者が高齢者のお手伝いをするという現状が見て取れます。確かに、日中働いている家庭が多いことから、止むを得ない現状なのかもしれませんが、一部の人たちに本来町ぐるみで行わなければならないことを押しつけてしまっているような気もします。ボランティアとはそもそも自発的に基づく行動です。民生委員の方々や一部のボランティアの方たちにお任せするのではなく、困っている人のために協力していくことが大切なのではないでしょうか。

現在、一つの活動拠点としてボランティアセンターがありますが、幸いなことに人生の諸先輩方が、活動をされています。この素晴らしい空間を皆さんの手で活性化させ、多くの皆さんが「しあわせ」と感じられる場所を築いてはどうでしょうか。

少子高齢化が進んでいる横須賀市にとって、福祉を抜きにして市の運営を行っていくことはできません。私の考えとしては、ボランティアセンターを皆さんの集いの場として活用し、また、それと同時に新たなボランティアの皆さんを募っていく場としていきたいと思います。

例えば、少子化対策として子供を出産し、育てていく環境づくり。これは市として、また、町として考えていかなければならない課題です。出産や子育てには不安がつきものです。先ほども記述しましたが、ボランティアセンターには人生の諸先輩方が集まり、対応してくれています。こういった方々に相談したり、協力してもらうことで、町全体の取り組みとして子育てが潤沢に回っていくのではないでしょうか。

また、相談に行かれたお母さんや子供たちは、福祉の現状やボランティアの現状を知ることができます。こうした若い層に現状を知ってもらうことで、新たなボランティアの育成にもつながっていくと思います。子供たちにとっても、町内の人たちとふれあうことにより、いろいろな経験や知識を得ることができますし、常に町の人たちが子供たちを見守ることができ、健全な青少年育成へもつながっていくことでしょう。

現在、1か所のボランティアセンターが子育て支援を行なっています。しかし、大半のボランティアセンターが小規模なスペースで行なっているため、直ぐにこの取り組みを行なっていくことはなかなか難しいかもしれません。取り組みを行なっていくための場所の選定も含め、今後取り組んでいくべき事項だと思います。

今の世間にかけてしまっているものは、ふれあいなのかもしれません。町全体で、子供たちや高齢者を見守ることで、現在町内会や民生委員の方々が行なっているボランティアセンターの職務も負担が減っていきます。こうすることで、ボランティアセンターの新たな可能性が見えてきます。皆さんも、こういった地域福祉に目を向け、子供たちや高齢者にやさしく、誰もが「しあわせ」や「ゆたかさ」を感じられる街づくりを一緒に目指してみませんか。

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